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公開文化講座

2012年10月5日(金)

「茶の湯の歴史(その6)
 第2回 片桐石州の茶の湯」

熊倉 功夫 氏(静岡文化芸術大学 学長)

片桐石州は千道安の茶の流れを受け、遠州なきあとの武家茶道の主流をつくった大名茶人です。ですから石州には千家風の樂茶碗の好みや一畳半の伝などがあって、そこが同じ大名でも遠州の茶と違うところです。石州は4代将軍徳川家綱の茶道師範と伝えられますが、幕府の茶道具の調査をおこなったり、また石州の弟子が幕府をはじめ全国の大名家の茶道職につくなど、いわゆる武家茶道を形成していった事実を考えますと、師範といえないまでも、幕府内での位置の大きさは十分うかがえるところです。石州は茶杓や竹花入にもすばらしい才能を発揮して名品を残しています。いずれもすがすがしい清楚な作行きです。
石州の同時代の茶人として金森宗和も見逃すことができません。御室焼を支援して仁清を育てる一方、宮中の後水尾天皇や近衞家など公家茶道に大きな影響を与えました。

熊倉 功夫 氏 静岡文化芸術大学 学長熊倉 功夫 氏
静岡文化芸術大学 学長
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