公開文化講座
「見なおそう茶室を(その1)
2008年7月19日(土)
「見なおそう茶室を(その1)
第3回 利休聚楽屋敷の美学」
中村 昌生 氏(京都工芸繊維大学 名誉教授)
利休は堺の本邸のほか方々に屋敷を設けましたが、聚楽城下の屋敷が彼の茶の湯の晴れの舞台であり、また自刃した所でした。ここには四畳半と二畳の茶室のほかに二つの書院建築がありました。利休の創意は茶室にだけ注がれたのではなく、屋敷全体のたたずまいに及んでいたのです。この屋敷には、利休にしか造れなかった新しい建築の姿があらわれていたのです。千家の秘伝であった書を繙きながら、利休の美学に迫りました。

京都工芸繊維大学 名誉教授