これまでの展示
「350年遠忌記念 元伯宗旦展
~残された手紙にみる生涯と茶の湯~」
主な展示道具
宗旦書状 寛永十年正月二十四日付 十三郞宛

宗旦の第1号文書とされる手紙です。宛名の十三郎は江岑宗左の若き日の名。寛永10年(1633)、江岑は京都からはじめて江戸に出て、有付(就職)を探していました。上段の最後の1つ書きには「有付は京都に近い国がよい。紀州(和歌山)、伊勢(三重)、播州(姫路)などの大名家に有付きたいものだ。遠い国ならば必要ない。こちらに帰って次の手だてを考えたらよい」と記されています。江岑を京都から近い国に仕官させたいという宗旦の願いが込められています。それが、後年、紀州家へ茶党としてめしかかえられたのですから、不思議なめぐり合わせです。