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特別講座

特別展の主題「表千家家元と半床庵久田家の歴史」にもとづき、講座が開催されました。

2016年10月9日(日)

「表千家家元と半床庵久田家の歴史を訪ねる
 -尋牛斎久田宗也さんを偲んで-

中村 昌生 氏(京都工芸繊維大学 名誉教授)

尋牛斎宗匠が大学院で茶具の銘についての研究に取組んでおられた頃、夜、河原町の河原書房でお会いするようになりました。そして酒房で朝まで語り合うことが続きました。やがて宗匠は家元のお仕事が多忙になられましたが、『表千家』(角川書店)の御出版やNHKのテレビなどが始まり、お引廻しを頂くうちに酒道・茶道一味の境地に誘いこまれてしまいました。
井口海仙宗匠、久田宗匠が京の四家元の成立ちを、もっと世に知らせなければと意気投合され、『京の茶家』(昭和44年、墨水書房)が出版されました。
宗匠は表千家、武者小路千家代々を精力的に執筆されました。お手伝いを通じて、両宗匠の茶道平常心に触れることの出来たのは幸せでした。
萩へ再三お供しました。萩と表千家は、碌々斎の頃から熊谷家や菊屋家とのご縁の深いところであります。当地のお数寄者の催される勉強会で話をさせて頂きました。懇親会ではカラオケもあり、宗匠の王将が大人気でした。萩は御母堂の御郷里で、宗匠は萩の旅をとても楽しんでおられるようで、当地の皆様の昔話に耳を傾けられました。
朝茶、夜咄など随分お相伴をさせて頂きましたが、茶室の中も宴席も、宗匠の言動は茶の姿に貫かれていました。宗匠は求道の人として生涯を閉じられたと思います。
それにかかわるエピソードをお話しいただきました。

中村 昌生 氏 京都工芸繊維大学 名誉教授中村 昌生 氏
京都工芸繊維大学 名誉教授
主催 表千家北山会館、一般財団法人 半床庵文化財団
後援京都新聞
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