「吸江斎・碌々斎ゆかりの茶道具展」
主な展示道具
瀬戸染付大瓶 紀州徳川家より吸江斎拝領

4月頃の家元稽古場に取り合わされる大壷の水指で、盆蓋が添っています。尾州御庭焼で焼かれたもので、紀州徳川家から拝領したといわれ、それ故に大板を敷いて使います。本来水屋の瓶であったものを、茶室へ持ち込み水指として使い始めたと伝えられています。
吸江斎は19歳の時、紀州徳川家10代治宝侯より皆伝を受けました。治宝侯は了々斎より皆伝を受けていたため、これによって、了々斎よりの正脈が治宝侯を通じて吸江斎に受け継がれました。紀州徳川家と吸江斎との関係は、単なる主君と茶堂というだけではない非常に深いものだったと思われ、この大瓶のように紀州徳川家から拝領した道具が、現在、家元にはいくつも伝わっています。