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「千家十職 樂家の茶碗 -極められた赤と黒の美-

主な展示道具

黒樂茶碗 銘 亀毛 5代宗入作

黒樂茶碗 銘 亀毛 5代宗入作

宗入(1664~1716)は長次郎に深く心を寄せながら、元禄という時代の中で独自の世界を茶碗に表現しています。胴の一方を締めて凹ませ、他方を張らせた姿は、長次郎や常慶の黒樂茶碗にも見られますが、それぞれから感じる趣は極めて個性的です。この「亀毛(きもう)」は柔らかい曲線が印象的で、全体に丸みを帯びた姿は、どこか艶を秘めています。亀毛とは、亀に毛は決してないことから転じて、ありえないほど珍しくおめでたいことのたとえで、寿を願う語です。9代了入(1756~1834)の頃に樂家に戻って以来、百数十年余りにわたって、樂家初釜の主茶碗として使われてきました。

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