「家元に伝わる茶の湯の道具(五) 表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗」
主な展示道具
御庭織服紗

表千家九代了々斎、十代吸江斎が茶堂として仕えた紀州徳川家十代の治宝は風雅な殿様として知られた。和歌山城下の西濱御殿(偕楽園)において御庭焼をおこなうと共に、染織にも興味をもち御庭織も手がけた。
意匠として描かれているのは伝説上の麒麟であろうか。そのまわりの花や草木も異国を感じさせるものとなっている。
この御庭織の服紗は吸江斎が拝領し、箱には「西濱御殿御庭織 御懐中服紗 三 天保改元寅年冬拝領 吸江斎」と書付けている。