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第15回 茶の湯文化にふれる市民講座

テーマ「樂家の茶碗-その美と歴史-」

樂家の茶碗は、茶の湯を学ぶ人びとのあこがれの的です。いいかえるなら、樂茶碗のない茶の湯など考えられません。なぜこれほど茶人に樂茶碗が愛されるのか、その秘密に迫りました。
樂茶碗に精通する方々をお招きし、樂茶碗の出現の要因はどのようなものだったのか、つくり手の側から見た樂茶碗の特質や創作の秘密、千家と樂家の歴代の交流とその時代など、さまざまな視点からお話しいただきました。また、樂家の歴史、その美、千家史料に見る樂茶碗など総合的な話題をとりあげる鼎談も開催しました。

2010年11月6日(土)

「和物茶碗-心の自由の所産-」

林屋 晴三 氏(東京国立博物館 名誉館員)

和物茶碗すなわち日本の茶の湯の茶碗は、千利休の意をうけた長次郎の茶碗の出現によって幕を開けたといえるようです。そして美濃における黄瀬戸・志野・織部、さらに唐津と拡がって、まことに闊達な盛況をみせますが、そこには造り手と使い手に、かたちにとらわれない自由な心があって茶の湯を楽しんだからだと思います。その造形性の核をなしたのが利休好み、織部好み、そして個人的個性を象徴する本阿弥光悦の茶碗であったのでした。

林屋 晴三 氏 東京国立博物館 名誉館員林屋 晴三 氏
東京国立博物館 名誉館員
主催 表千家北山会館、京都新聞社
後援京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、NHK京都放送局、
京都市内博物館施設連絡協議会
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