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茶の湯文化にふれる市民講座 特別講座

四代家元江岑宗左三百五十回忌にあたり、講演会が開催されました。

2022年11月3日(木・祝)

「江岑宗左と紀州徳川家」

渡辺 潤 氏(家元教授、表千家同門会理事)

歴史の流れの中で江岑をとらえるために、利休、少庵、元伯と続く歴代の系譜をふまえて、江岑の紀州徳川家への茶堂としての出仕が果たした、千家道統の茶の湯の継承の意味を渡辺氏は説明された。今回の特別展に展示された史料からも明らかなように、家元自身が記され伝えられてきたものは、第一等級の茶書として貴重なものである。
江岑が自分の息子のために書いたとされる『逢源斎書』を読み解きながら、350年を経た今日、皆さんと一緒にその意味について考えてみたいと語られた。渡辺氏は、茶書よりいくつかの箇所を示され、「自分のお茶に生かせるものがあれば、生かしてください。もし答えがわからないならばそれは、自身の知識と経験が不足しているということです。しかし、わからなくても考え続けることをやめなければ、必ず答えに近づくことができる。その過程で知識と経験も身につけることができる。」と自身の体験を交えて語られた。
お茶の習いは点前だけでなく、茶書を読み、知識を身につけ、経験を積み、新しい発想、新しい視点で見て考えることが大切であるという、一貫した修練の姿勢について語られた。

渡辺 潤 氏渡辺 潤 氏

茶の湯文化にふれる市民講座


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