文字サイズ変更

茶の湯文化にふれる市民講座 特別講座

四代家元江岑宗左三百五十回忌にあたり、講演会が開催されました。

2022年11月27日(日)

「三千家の成立と江岑宗左」

熊倉 功夫 氏(MIHO MUSEUM 館長)

江岑宗左は父の元伯宗旦や大徳寺の玉舟和尚など様々な人から有付(就職)への助力を得て、紀州徳川家にお茶堂としての仕官が決まる。その後、他の兄弟たちも加賀の前田家、高松の松平家へ無事仕官がなったことで、今日まで続く表千家・裏千家・武者小路千家という三千家の礎が成立したと語られた。
続いて、利休居士から宗旦へと受け継がれてきた侘び茶のかたちを、江岑はただ単に踏襲するのではなく、紀州徳川家のお茶堂としての立場に応じた新しい時代の千家の在りようを考えた家元であったとお話をされた。
江岑のもう一つの大きな功績として、宗旦などから聞いた利休居士の茶についての覚えや、自らが招かれた茶会の記録を数多く残した。こうした記録を残すことで、千家の古格を守り後世へと伝え、紀州家お茶堂として新しい千家のあり方を示し、表千家の基礎をつくりあげたと語られた。江岑が書き残した多くの記録により、現代の私達は当時の茶の湯の姿を見ることが出来るのは大きな意味をもつありがたいことであるという言葉をもって、この講座を締めくくられた。

熊倉 功夫 氏熊倉 功夫 氏

茶の湯文化にふれる市民講座


このページの先頭へ