「而妙斎宗匠喜寿の茶事を訪ねる跡見展」
主な展示道具
宗慶作 黒茶碗 銘 天狗

高台の内側には宗慶の「樂」の印が押されている。3代の元伯宗旦が箱の表に「黒茶碗 天狗 残月主 不審」と書付け、箱の裏には久須美疎安(くすみそあん)が宗旦の弟子の山田宗偏から聞いた銘の由来について書付けている。それによれば、宗旦が長次郎作の「太郎」(太郎坊)、「次郎」(二郎坊)、「僧正坊」などの赤茶碗に匹敵する黒茶碗として「天狗」の銘を付けたという。宗慶(姓は田中)は宗味と常慶(樂家2代)兄弟の父で、宗味の娘が樂家初代長次郎の嫁であると伝えられる。