第10回 茶の湯文化にふれる市民講座
諸山 正則 氏
東京国立近代美術館 主任研究官
テーマ「わびの塗り物と木工」
千家十職の中に一閑張細工を専門とする飛来家と木工の指物を専門とする駒澤家があります。紙に漆を塗る独特の一閑張は千宗旦の推奨するところとなり、一閑張細工師・飛来家が誕生しました。駒澤家は京指物の家で歴代の中では4代にあたる利斎が6代家元・覚々斎と親しく、その好み物を製作して千家との関係が一段と深まりました。
今回は、飛来家の一閑張細工、駒澤家の指物の歴代の作品とその製作過程を展示する特別展にあわせて、漆と木工の世界を幅広く取り上げました。
2005年10月22日(土)
「近代の木工芸 ―東京と比べた京都―」
諸山 正則 氏(東京国立近代美術館 主任研究官)
指物でいえば、東京の桑に対して京都の桐とよくいいます。生活や風土、素材の特質もあるのでしょうが、工芸では意匠やかたちへの嗜好がさらに明らかです。駒澤利斎家に代表される茶の湯の指物を含め、竹内碧外や飯田広斎の京風、民藝の黒田辰秋らと東京の前田南斎などの桑物作家らとを具体的に見比べられました。

東京国立近代美術館 主任研究官
主催 | 表千家北山会館、京都新聞社 |
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後援 | 京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、NHK京都放送局 |